ショート 語彙の王 古の時代、言葉は力だった。特に王たる者にとって、その語彙こそが王国の命運を左右すると言っても過言ではなかった。若き王子リアムは、生真面目だがどこか抜けている。彼には、歴代の王が持っていたカリスマ性が決定的に欠けていた。「王子、明日の謁見では... 2025.04.11 ショート
ショート 新宿中央署 鮭色事件帖 「今日も朝からコレか…」刑事、桜木はため息をつきながら、コンビニで買ったおにぎりの包装を開けた。中身は定番の鮭。桜木は幼い頃から鮭おにぎりが好きだった。特に、あの、温かいご飯に混ぜ込まれた時の、ほぐれた鮭の香りがたまらないのだ。しかし、今日... 2025.04.09 ショート
ショート 乳児無限城 時は幕末、開国か攘夷かで騒がしい世情。東北の寒村で生まれた赤子は、産声も上げず、ただ静かに瞳を閉じていた。村人たちは、このまま息絶えてしまうのではないかと不安に思ったが、一人の老侍が「心配には及ばぬ。この御子は、秘めたる力を持っている」と予... 2025.04.09 ショート
ショート 蚊取り刑事ジョウロ事件簿 新宿中央署のベテラン刑事、鬼塚は、今日もまた蚊に悩まされていた。「チクショウ、どこに隠れてやがる!」 鬼塚は愛用の噴霧器を手に、蚊の姿を探す。最近、管轄内で奇妙な事件が多発していた。被害者は皆、やけに蚊に刺されているのだ。「鬼塚さん、また蚊... 2025.04.08 ショート
ショート エナジー・プリンセスの秘密 王女アリアは、今日もまた退屈を持て余していた。広大な城、豪華なドレス、そして山積みのプレゼント。何不自由ない生活を送っているはずなのに、なぜか心はいつも空っぽだった。そんなある日、古びた書庫で埃を被った木箱を見つける。中には、見たこともない... 2025.04.08 ショート
ショート 黄金の雫と五つの王国 古の時代より、五つの王国は「黄金の雫」と呼ばれる特別な飲み物を求めていた。それは、一口飲めば深い眠りから目覚め、一日を力強く生き抜くための活力となる、伝説の液体。第一の王国、ロームルスの王は、その濃厚な香りに心を奪われた。「これこそ、わが国... 2025.04.03 ショート
ショート レーズン王の甘き苦悩 古の時代より、豊かな大地を治めるレーズン王。その威厳に満ちた表情は、民への慈愛と、領土を守る決意に満ち溢れていた。しかし、王には誰にも打ち明けられない悩みがあったのだ。それは、朝食の準備に時間がかかり、大切な執務に遅れてしまうこと。ある日、... 2025.04.03 ショート