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新宿中央署 鮭色事件帖

「今日も朝からコレか…」刑事、桜木はため息をつきながら、コンビニで買ったおにぎりの包装を開けた。中身は定番の鮭。桜木は幼い頃から鮭おにぎりが好きだった。特に、あの、温かいご飯に混ぜ込まれた時の、ほぐれた鮭の香りがたまらないのだ。しかし、今日...
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乳児無限城

時は幕末、開国か攘夷かで騒がしい世情。東北の寒村で生まれた赤子は、産声も上げず、ただ静かに瞳を閉じていた。村人たちは、このまま息絶えてしまうのではないかと不安に思ったが、一人の老侍が「心配には及ばぬ。この御子は、秘めたる力を持っている」と予...
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蚊取り刑事ジョウロ事件簿

新宿中央署のベテラン刑事、鬼塚は、今日もまた蚊に悩まされていた。「チクショウ、どこに隠れてやがる!」 鬼塚は愛用の噴霧器を手に、蚊の姿を探す。最近、管轄内で奇妙な事件が多発していた。被害者は皆、やけに蚊に刺されているのだ。「鬼塚さん、また蚊...
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エナジー・プリンセスの秘密

王女アリアは、今日もまた退屈を持て余していた。広大な城、豪華なドレス、そして山積みのプレゼント。何不自由ない生活を送っているはずなのに、なぜか心はいつも空っぽだった。そんなある日、古びた書庫で埃を被った木箱を見つける。中には、見たこともない...
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黄金の雫と五つの王国

古の時代より、五つの王国は「黄金の雫」と呼ばれる特別な飲み物を求めていた。それは、一口飲めば深い眠りから目覚め、一日を力強く生き抜くための活力となる、伝説の液体。第一の王国、ロームルスの王は、その濃厚な香りに心を奪われた。「これこそ、わが国...
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 レーズン王の甘き苦悩

古の時代より、豊かな大地を治めるレーズン王。その威厳に満ちた表情は、民への慈愛と、領土を守る決意に満ち溢れていた。しかし、王には誰にも打ち明けられない悩みがあったのだ。それは、朝食の準備に時間がかかり、大切な執務に遅れてしまうこと。ある日、...
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漆黒の覚醒 – 黒金慕情

時は幕末、騒乱の世。一人の侍がいた。名は源吾。剣の腕は立つが、朝はからっきし弱い。そんな彼には、毎朝欠かせないものがあった。「今日も、始まるか…」源吾は、愛刀…ではなく、漆黒の小箱に手を伸ばす。中には、金色の輝きを秘めた個包装。それを湯呑み...
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王様の記憶

遥か昔、知識と富を独占した王国があった。その王は、生涯忘れえぬ冒険を求め、広大な領土を旅した。記録係が追いつけないほどの出来事を、王は小さな石板に刻み込んだ。だが、石板は脆く、いつか失われる運命にあった。ある日、王は賢者から不思議な"記憶の...
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湿気とプリンセスと秘密の魔法

古の王国、アメジスト。その一室で、アメリア王女は悩んでいた。窓の外は雨。ジメジメとした空気は、大切なドレスを湿らせ、お気に入りのリボンの色をくすませる。「ああ、この湿気がなければ…!」そんなアメリアの前に現れたのは、一人の老執事。「王女様、...
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王女様の秘密の配達大作戦!

お転婆王女リリーベルは、お城の退屈な日々に飽き飽きしていた。「もっと自由に、自分の目で世界を見たい!」そんなある日、彼女は王宮に届く荷物に興味を持つ。それは遠い国からの珍しいお菓子、冒険家からの手紙、そしてキラキラ輝く宝石の詰まった小箱。「...