筋肉は嘘をつかない

「現場からは以上です！」鑑識の鑑が無線を切る。今日もまた、デスクワークで鈍った体に鞭打って現場へ急行だ。被害者は、健康食品会社のやり手社長。享年45歳。死因は…栄養失調？いや、違う。犯人は巧妙に、プロテインの摂取量を偽装していたんだ。

「所轄の刑事さん、何か気づいたことは？」
鋭い眼光の刑事が、現場を睨みつける。
「ああ…被害者の愛用していたプロテイン、『マイルーティーン』の減り具合がおかしい。ボトルの底には、微量の甘い香りが残っている…クッキー＆クリームか」
彼は、指先で顎を撫でながら、プロテインの成分表示を凝視する。「ビタミン11種配合…これは、犯人が栄養バランスを考慮した上で、計画的にプロテインを奪っていた証拠だ」
「一体、誰が…何のために？」
「動機は一つ。理想の肉体を手に入れるためだ」
刑事は確信する。犯人は、プロテインを盗み、それを己の筋肉へと変えようとしたのだ。
「必ず、この事件の真相を暴いてみせる」
刑事が決意を新たに、現場を後にする。背後には、夕焼け空が広がっていた。

【次回予告】新たなる犠牲者

このお話はフィクションであり架空の話です。

↓[PR]↓

amazon商品紹介　クリック