古の時代より、この国を治める若き王がいた。名をアキトという。知略に長け、民を愛する王であったが、ただ一つ、深刻な悩みを抱えていた。それは、慢性的なタンパク質不足である。
「今日もまた、鶏肉か……」
豪華な食事が並ぶ晩餐の席で、アキトはうんざりした声を上げた。近頃、どうにも体が重く、朝の剣の稽古にも身が入らない。侍医に相談したところ、「王よ、タンパク質が不足しておる！」と一喝されたのだ。
しかし、アキトは甘いものが大好きで、ついつい菓子ばかり口にしてしまう。国民からの献上品である、甘美な果実を使ったお菓子は、彼にとって何よりも抗いがたい誘惑だった。
そんなある日、一人の旅人が王宮に現れた。その旅人は、東の果ての国からやってきたという。彼はアキトに、不思議な粉末を献上した。「王よ、この『大地の恵み』は、あなたの体を内側から強くし、美しさを保つと申します。ヨーグルトの風味で、お菓子のように美味でございます。」
アキトは半信半疑ながらも、その粉末を試してみることにした。するとどうだろう。それはまるで、甘いヨーグルトそのもの。しかし、腹持ちが良く、体の中から力が湧いてくるようだった。
「これは……まさしく、天からの贈り物だ！」
アキトは歓喜した。これさえあれば、もう鶏肉にうんざりすることも、甘い誘惑に負けることもない。彼は毎日、『大地の恵み』を食し、心身ともに充実した日々を送るようになった。
【次回予告】王様の秘密特訓！
このお話はフィクションであり架空の話です。
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